4月13日に開催されたふりかえりカンファレンス2024。
オープンプロポーザルで提出していた登壇発表提案が採択されたので、登壇者としてオンライン参加してきました。
ふりかえりカンファレンスとは
「ふりかえり」をテーマにしたカンファレンスイベントです。スクラムのスプリントレトロスペクティブもふりかえりのひとつです。
ふりかえりカンファレンスが扱うふりかえりはスクラムのレトロスペクティブに限定しておらず、チームが一度立ち止まって話し合うことならオールオッケーという感じです。
ふりかえりについてはNRIの森さんが書いた本がとってもわかりやすいので、まだ読んでいない方はぜひ読んでもらいたいです。(保育士さんでも読める読みやすさ!)
そして、ふりかえりカンファレンス2024のテーマは「コネクト」!
コネクト、つまり繋ぐことをテーマにした登壇発表やOSTテーマが集まったようです。
私が登壇発表した内容も「保育とふりかえりをコネクト!」としていて、保育業界とアジャイルから始まったふりかえりをつないだ事例を紹介する内容でした。
登壇発表の内容
保育の現場で、保育士がふりかえりの手法を活用して会議の進め方を変えた事例を紹介します。
保育の現場でふりかえり?と思った方も多いかもしれませんが、ふりかえりはITシステム開発現場だけのものではありません。
保育の現場は、複数人の保育士やサポートの方が協力して仕事をしているチームワークの場なのです。
詳しくは以下のオープンプロポーザルをご覧ください♪
ちなみに自慢なのですが、今回オープンプロポーザルのイイね数がトップでした。IT業界とは異なる、保育業界・教育業界でのふりかえり実践例は注目だったのだと思います。
そして、発表当日のタイムスケジュールも招待公演キーノートの直後に入れていただきました!かなり緊張しました(笑)
発表資料
speakerdeckで発表資料は公開しています。
ちなみに今回の発表、私のお仕事内容の発表ではありませんので、久々に会社名を出さない発表としました。土曜のプライベート参加ですし(笑)
あと、発表資料を見てもらうと気がつくと思うのですが、発表資料だけだと何が発表されたのか今ひとつわからないと思います。
その理由は、今回の登壇発表は新しいチャレンジが盛りだくさんで、資料の見せ方も一味違ったからです。
今回の登壇発表は新しいチャレンジ盛りだくさん
夫婦共同登壇
今回の発表は「保育とふりかえりをコネクト!」とあるように、保育園でのふりかえり事例を紹介しています。
そして、実際に保育園でふりかえりを実践したのは私ではなく、保育士の妻でした。
私は仕事でチームビルディングやふりかえりをやっているので、その知見で妻の相談に乗っていたわけです。
そうなると、相談に乗っていたわたしが事例紹介で発表するというのもできるのですが、やはり実践した本人(保育士さん)も一緒にトークしてもらうのが一番インパクトがあるだろうなと思ったんです。
そのため今回は、自身初となる夫婦共同登壇となりました!
登壇者の1人がパペット!
夫婦共同登壇は交渉の結果、妻の了承をとることに成功!しかしひとつ条件があって、お顔をカメラインするのはNG。
そのため、妻はパペットで出演することになりました。
共同登壇で、1人は人間として出演・1人はパペットで出演って、それどこかで見たことある気が…
出典: https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=2271029&elem=oricon
去年アンコール放送やってたんですね〜。懐かしい…
パペットはいろいろ見ましたが、妻の要望によりおにぎり🍙をあむあむ食べることのできるカエルさん🐸になりました。
後から気がつきましたが、ふりかえりカンファレンスにカエルのパペットをチョイスしたというのはさすが妻です(笑)
登壇発表を事前収録してVTR放映にした
パペット出演となると、イベント当日のLive生放送・生出演はかなり難しいことがわかりました。
というのも、やってみてわかったことなのですが、人間とパペットの共同出演って画角がかなり難しいんですね。特にパペットの方(笑)
人間が映らないように撮る・映っていた場合は切り取るといった加工が必要なので、発表内容を事前に収録してイベント当日にVTR放映する形にしました。
これにはもうひとつ良かったことがあって、パペットを動かすのってかなり疲れるんですね。手を動かしたり、口を動かしたり、大きなリアクションをつけたりするので、人間のまま出演するよりも数倍は大変。
これを45分続けて操作するのは大変なので、事前に休み休み収録できたという点でも正解だったと思います。
(それでも終盤、カエルさんお疲れの様子だったけど笑)
あとは、せっかくVTR放映にするならってことで、内容は結構遊ばせてもらいました🤣
映画予告編のような短編動画作ってXで事前告知したり、本編でも効果音や場面切り替えの効果を入れてみたり、薄くバックミュージックを入れてみたり。
特に、短編予告動画はiMovieの力を借りつつなんかすごそうな感じにできたというのもありますが、好評いただけた気がします(笑)
発表資料を紙芝居形式にした
あとは、発表資料の表示方法もかなり迷いました。
普段ならパワーポイントやGoogleスライドでスライド作ってプレゼンテーション表示して画面共有をするわけですが、今回のような人間とパペットのかけあいをするような発表だと今ひとつだな〜と思ったのです。
なぜなら、スライドよりも人間とパペットのかけあいを見てもらった方が情報量が多いからなです。優先度として、「人間とパペットのかけあい > スライド資料」というわけです。
そのため、今回の資料は紙にプリントアウトしてスケッチブックに貼り、紙芝居のように表示しました。
文字が小さくて読みにくくなるかもしれないのですが、資料の一語一句を読めることよりも、人間とパペットのかけあいと合わせてみてもらう方がより価値がある・ゴール(保育とふりかえりのコネクトを知ってもらう)を達成できると思ったからです。
そして、なんだか手作り感も出たので、結構よかったと思ってます(笑)
視聴者の反応
有り難いことに、このような新しいこと盛りだくさんの実験的な発表でしたが、視聴者の皆さんには楽しんでもらえた様子がdiscordのコメントやリアクションから伝わってきました。
最後までEテレを意識してますね(笑)
他にも多くのコメントをいただいてまして、登壇発表の新しい取り組みや、保育でのふりかえり事例紹介は視聴者の皆様に楽しんでもらえたようですし、参考にもしてもらえたようです。
ところで今回の発表内容なのですが、実はこれといって真新しい知識や情報は紹介してないんです。
プロポーザルもbeginnerタグを付けていたのですが、「問題対私たち」や「全員同席」や「ペア司会」といった基本的なことしか発表では言ってません。
でも私はそれでいい、というかその方がいいと思っています。
難しい知識や概念よりも、それを現場でどう実践してどのような学びがあったのか、それをわかりやすく伝える。そこが大事だと私は思っています。
そして私の発表の中でも、難しいこと(例えば、アジャイルソフトウェア開発宣言の「プロセスやツールよりも、個人と対話に、より価値がある」)を私が言い出すシーンがあるのですが、カエルさんが「難しくてわからない〜」と言い出すのです(笑)
これ演出ではなく、本当に保育業界の人からしたら何言ってるよかわからない・難しいんですね。
そのような難しいことをできるだけ出さない・他の業界の人にもわかる形にして伝えるというのが大事だと思いますし、わからないこと・難しいことをカエルさんが代弁して「難しいね」って言ってくれるのは、視聴者から見たときの安心感にもつながったのでは?と私は思っています。
焼肉レトロスペクティブのうたをpiyonakajimaさんが公開!
ふりかえりカンファレンスのクロージングで、KAG(KDDIアジャイル開発センター)のpiyonakajima さんから焼肉レトロスペクティブのうたが紹介されました!
piyonakajima さんはこれまでもFunDoneLearnのうたや、象・死んだ魚・嘔吐のうたといったふりかえり手法の歌を発表している、歌って踊れる🕺凄い人なのですが、なんと!焼肉レトロスペクティブを歌にしてくれたのです!
そして完成度が凄い!
歌も音楽もすごいですが、アニメーションも手作りされてるそうです。焼肉の絵はこのために描き下ろしたそうで…スゴイ!
制作の背景などはpiyonakajima さんがブログに綴ってくれていますので、ぜひ読んでほしいです。
そしてKAGさん主催で、焼肉レトロスペクティブやってみようの会が5/22のお昼休み時間帯に開催されます!こちらも要チェック!
登壇発表とふりかえりカンファレンス参加のふりかえり
Fun/Done/Learn&Emoでふりかえりやってみました。
Fun
- 夫婦共同登壇に成功!
- 妻が結構楽しんでくれた。特に猫にコネクトの発表内容が保育現場での子供との向き合い方に通じるものがあるようで、じっくり視聴していた
- 妻にコミュニティ活動を理解してもらうのを苦労していたが、一緒に参加して経験してもらうのがベストだと実証できた
- 妻も新しい学びの機会になったようで、結構楽しそうに発表視聴やdiscordへのコメント、スタンプ付けをしてた。やったぜ!
- 自分の発表も無事配信に成功して、みんなに楽しんでもらえたみたい。まずは楽しむことが大事なので、自分としては成功だ!
Done
- いろいろ新しい取り組みを入れた発表だったので、まずは発表が成功したのはよかった。一安心
- 登壇発表=スライドで発表・オンタイムで発表という自分の中の固定概念を乗り越えた感じ
- “保育の現場でもふりかえりが有効”というケーススタディを、参加者に伝えるというMVPを達成できたと思う
Learn
- リフレクションについては、ちょっと自分の理解が追いついておらず、腹落ち度30%という感じ。これは要復習
- かとうさんの猫とコネクトは、実はかなり深いお話だった。行動をよく観察し、困りごとを想像し、根本原因を探っていく仮説検証だと言える
- かとうさんの猫とコネクト、介入を急ぐと本人が解決する機会を奪うことになりかねないというのは、保育にもつながる話だった
- かとうさんの猫とコネクト、「信じるものを見るのか、見たものを信じるのか」という言葉はハッとさせられた。自分のフィルターを通さず、ありのまま相手を見るのが大事なんだ
Emo(Emotional)
- そしてそして、やはり締めくくりの「焼肉レトロスペクティブの歌」ですね!もうこれは、Funを超えてEmo(エモーショナル)ですよ!最高だった
- 次にやることとしては、このEmoを自分の現場に少しでも持ち帰ることかな!いきなり共感されるかはわからないけど、まあやってみよう!
まとめ
夫婦共同登壇・共同参加の体験がめちゃくちゃ良かったです。これっきりで終わりにせず、どこかのイベントに夫婦でまた参加してみたいですね。模索していこうと思います。
ふりかえりカンファレンス、登壇発表も楽しいのですが、他の方の発表を聴いたり交流したりも含めて、めちゃくちゃ楽しいです!来年も開催されますので、ぜひまた参加しようと思います😊